初 ゆ め に 思 う!?
                                           森本 長寿      
 鳥のように空を飛ぶ夢を見て、何とも心地よい目覚めを味わった。暮れの大掃除を終えた晩、妻と話し合い「正夢」と勝手に決め、“一年の計は元旦にあり”に因んで、“一年の慶は初夢に始まる”と、たわいもない格言をでっち上げ、元旦の夜は飛ぶことを一心に思いながら床に就いた。願いは叶った!!が「正夢は、人に話たらいかんねや」と妻に言われ、一年くらいは誰にも喋らなかったと思う。
 その後、空を飛ぶ夢は数回見、或るときには夢の途中で現(うつつ)に戻り、遮二無二寝入り、続きをみたこともある。しかし、それも夏頃にはぷっつりと影をひそめ、さして喜ぶような事も起こらなかった。結局、当人の都合で正夢とも逆夢ともなるものらしい。
 因みに、今年の初夢は「幅100メートル程もある大きな川に沿った山並みの傾斜部に点在する小集落と、対岸に広がる平野部の市街地で形成された小さな町が、とてつもない大掛かりな土木工事を始めていた。何十台もの建設重機が、住宅や施設を片っ端から壊し、あちこちを掘り返し、轟音を響かせ砂煙を巻き上げている。『住民の安全・安心の町につくり変える工事だ』そうな。「山の傾斜は地震や大雨による地滑り対策を、平野部では天井川の箇所もあり洪水に備える。」と言う。目が覚めてぼんやりと考え込んでいると「いま、篠山市は大変な財政危機に瀕し、再生市民会議で今後のまちづくりを検討している」がこの夢と現(うつつ)が何となく重なり合っているように思えてくる。
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