他の人を思う心
 人権擁護委員   平 和 宏 昭       
                           
  私はよく列車で遠方へ出かけますが、電車の中で化粧をしたり、携帯電話でメールをしたり、マナーやモラルのなさが目立ちます。
 今の日本人の心情から最も薄くなったのは「他の人に対する心遣い」ではないでしょうか。      地域や近所の人たち、親類とあまり関わりたくないという人も増えていますが、自分と他人との繋がりを考慮に入れない「自己本位」の時代と言っても過言ではないと思います。 
 マナーやモラルの教育の原点は、家庭にあります。            
 朝、目覚めますと、「おはようございます」と家族で元気に挨拶を交わす、「気をつけてね」この簡単な言葉が、子どもたちの心を和らげ、一日の活力元となるのです。家族への「ねぎらいの言葉一つ」が相手に喜びや元気を与えているのです。     
 「他の人を思う心」を育てるには、先ず身近な者への小さな親切からはじめましょう。ボランテアとか奉仕活動とか大きなことを考えずに、まずは,自分が周囲を和ませる「ほほ笑み一つ」でも浮かべられる人間であることが大切です。            
 マナーやモラルは、形からはじめなくては身に付かないのではないでしょうか。