県奨励賞・市最優秀賞                   
   地域ぐるみの人権学習会                         
篠山市立篠山中学校1年 畑 杏奈

 私の住んでいる篠山市乾新町では、自治会長さんが中心で、乾新町青年部、住民、篠山市役所の職員さん達で、平成11年につくられた、「乾劇団」という、人権文化の意識を高める劇団があります。
 この乾劇団は、人権学習を、小さい子どもから高齢者まで、みんなにわかりやすく伝えるため、芝居で、人権を表現するボランティア劇団です。 篠山市の人権学習会、老人会などいろいろな所で上演されています。私のお父さんも参加しています。私も昨年、児童役で参加しました。小さいころは、おじさん達の芝居がおもしろくて、笑ってみていましたが、小学校高学年ぐらいになってから、だんだんと、人権について考えるようになりました。
 乾劇団のストーリーは、「外見だけで物事を判断することや、高齢者をじゃま扱いする等、日常生活の何げない会話の中にひそむ差別性について」が課題です。昨年のストーリーは、家の中でのおじいちゃんの扱い方、老人ぼけを利用した悪徳商売、また子どもと老人と地域の人々のチームワークでした。このストーリーの中で、わたしは、家のなかでおじいちゃんをじゃま扱いするシーンの時、今まで、私たちの生活を考えてくれたおじいちゃんをじゃま扱いするのは、よくないと思ったし、高齢者の人々を暮らしやすくしてあげたいと思いました。おじいちゃんを大切にして、今までの恩返しをしなければいけないと思いました。 次に、老人ぼけを利用した悪徳商売のシーンでは、体が弱くなって、ぼけていることを利用して、悪徳商売をするような社会がなくなってほしいと思いました。そして、私が出演したのは、私がゆうかいされそうになって、散歩している老人や、見回りパトロールをしている警察に助けてもらうシーンでした。子どももおじいさん、おばあさんに見守られているのだから、おじいさん、おばあさんを子どもが見守らなければいけないと思いました。今私達が高齢者を暮らしやすくしないと、私達が高齢者になった時、同じことをされると思います乾劇団の芝居を小さいころから見ることが、とても大切なことであることがわかりました。
私が人権について考えられたのも、難しいお話じゃなく、小さいころから、乾劇団の芝居を見てきたからだと思います。 
 私は、この人権作文を書くために、自治会長さんのところへ行って、乾劇団の資料をもらいました。 資料の中に、「啓発」という言葉がありました。お父さんに、「啓発ってなに。」とたずねると、 「人を教えみちびいて、知識を与えることだよ。」と言いました。私はその時、「乾劇団の人々に教えみちびいてもらって、人権学習の知識を与えてもらっている。」とおもいました。
 乾劇団の課題、「日常生活の何げない会話にひそむ差別性」のように、みんなが毎日の生活の中で、人権文化の啓発に取りくんでいかないと、差別は、なくならないと思います。 私は、人権学習に力を入れておられる乾新町で育って、とてもよかったです。
 これからも乾劇団の芝居を見るのが、とても楽しみです。